ソニックを中心に小説を書いています。R18も掲載するので、注意を。※当サイトはリンクフリーです。何かあった場合は sonadow2010@yahoo.co.jp まで。
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シャソニ小説
さあ、どんどん移動させるぞっと!
※こちらの作品はエロ満載となっております。
苦手な方はバックしてください。
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「・・・ニック!!ソニック!!。」
聞こえてくるのはどこか懐かしい声。
暖かくて、どこか尖っている様な。
『体はふたつ 心はひとつ』
「ん~・・・。」
「ソニック・・・よかった・・・。」
ソニックが目を覚ますと、椅子に座っているテイルスがふぅ、と一息。
ここは、ステーションスクエアの大学病院。
いつも通り、軽快に走っていたソニックが
初めて事故を起こした。
音速で走る彼を避けれる物体は、この世には指で数えられる。
左から来た大型乗用車と衝突してしまい、今に至る。
「心配したんだよ・・・、ソニック、全然起きないから・・・。」
「ご、ごめん・・・。」
実際、事故を起こしてから丸1日経過している。
意識が戻らなければ、このまま眠ったままになるところだ。
境界線を越えるギリギリのとこで目が覚めたのだ。
まだ頭がぼうっとするが、ちゃんと視点も合い今のところ大丈夫なようだ。
と、廊下から狂った様に大きな音が聞こえてくる。
「ソニック!!。」
ガラリー、と戸が開いて立っていたのはシャドウだった。
手には小さな果物のバスケット。
任務に当たっていたが、ソニックが事故を起こしたと聞いたシャドウは
いつもより速いスピードでここまで来た。
恋人同士の、シャドウとソニック。
皆には極秘だが、2人の目が合うと自然とお互い高揚するものだ。
しかし、今回は違った。
「お前・・・誰?。」
一瞬、時間が止まったような気がした。
間のテイルスも唖然としている。
関係は知らないが、仲がいいことは皆が知っているのだ。
「今、何て・・・。」
「近づくなっ!!。」
恐る恐る歩み寄っていくと、罵声をあげ枕を投げてきた。
何が起こっているのかも分からず、シャドウはただ呆然としている。
「・・・出て行け。」
最後に食らった、吐き捨てられる冷酷な言葉。
シャドウは仕方なく、病室を後にするー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
後ほど、病院の医師から記憶喪失と診断されたソニック。
だが、記憶喪失と言われても過去の記憶が消えてしまっているので
ソニックは信じられないようだ。
「・・・オレ、本当に、いや・・・。」
疑うのも無理は無い。
悩んでいると、シャドウが部屋の中に入ってきた。
「・・・何だよ。」
冷たく吐き捨てたくなるのも無理は無い。
寧ろ、奇奇怪怪な状況でいつも通り話せと言う方が無理がある。
「さっきはすまなかった・・・。」
「え?。」
「勝手に部屋に入ってきてしまって・・・
・・・記憶喪失、らしいな・・・。」
抜けるような声に唖然とする。
「君が苦しんでいるのにのうのうと入ってきてしまった自分がいけないんだ。
・・・さっきは本当にすまなかった。」
「あ、いや・・・。」
そこまで本気で謝られるとばつが悪い。
掛ける言葉も見当たらず、ただシャドウを見つめるソニック。
「・・・それだけだ、僕は・・・。」
「いや、さっきのはオレがいけないんだ。・・・よかったら、そこ座れよ。」
帰ろうとしたシャドウを無意識のうちに言葉で引き止めていた。
少々考えたシャドウだが、ソニックの願う事なのでそこは逆境しない。
簡易的な椅子に座り込み、小さくため息を吐く。
「具合はどうだ・・・?どこか、痛むか?。」
「いや・・・別に、普通かな。」
たいした事故を起こしたわけではないので、傷も軽い。
見合った痛みは、歩く時に少し痛むぐらいだ。
一週間もすれば治るような、擦り傷。
「そうか・・・よかった。」
「(本当に心配してくれてたんだな・・・。)」
心の中で呟くと、何故か一気に親近感がわく。
それと、何故か顔が赤面してしまうのだ。
「・・・?どうした。」
「な、何でもねぇよ・・・。」
そっぽを向く仕草を見てシャドウは昔のソニックとの関係を思い出す。
公認ではなかったが、お互いが好きという、いわば相思相愛の関係。
男同士という壁もあり、外ではべたべたくっ付けないのがたまに傷なのだが
ソニックもシャドウもその関係で満足していた。
朝は一緒に朝食も取ったし、夜はお互いを求め合う。
新婚みたいな幸せの時間、何よりも幸せの時を刻んでいた。
「・・・なぁ、オマエ・・・。」
「!?あぁ・・・。」
急に声を掛けられ、背筋を張り驚く。
GUNのエージェントという神経をすり減らす仕事をしてしても
『驚く』と言う事は一向に慣れない。
「オマエ、名前・・・何て言うんだ?。」
「あ、そうだな・・・一から教えないとな。
僕はシャドウ。シャドウ・ザ・ヘッジホッグだ。」
「ふ~ん・・・シャドウ、いい名前だな!。」
ソニックはシャドウに向かって笑顔を見せた。
それだけで心が落ち着くような気がするような、錯覚。
だが、今シャドウの目の前にいるのは
昔、体を重ねあったソニックでは無い。
まるで会ったばかりの様な、そんな感覚だ。
「(ああ、彼が・・・ソニックがいないと、ここまで寂しいものか。)」
心の中で自分自身に言ってみると、苦笑したくなる。
「とりあえず、冷蔵庫にみんなが持って来てくれた見舞いがあるから、
飲み物もあるはずだから、飲んでいいからな?。」
「ああ、ありがとう・・・。」
とりあえず近くにあった冷蔵庫から炭酸飲料水を取り出す。
ごくり、と喉を通ると炭酸が喉を刺激してくれて心地いい。
「お、それ美味そうじゃん!オレにもくれよ!。」
「ったく、君は・・・。」
手に持っていた飲料を取られ、眉間に皺を寄せる。
あろうことか、3分の2は残っていた飲料は悉くソニックの口の中へ。
仕舞いには、空になってしまった。
「ぷはぁーっ!ウマっ!。」
そんな姿に呆れてしまうが、どこか嬉しかった。
「(昔と変わらないところは、本当に変わらないんだな・・・。)」
昔と言っても、あくまでも2,3日前だが妙に懐かしいし暖かい。
しかし、今思い浮かぶのは悲しいという冷たい感情だけで。
しばらくシャドウは上の空だったー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「そろそろ帰らなくてはな・・・。」
上の空から解かれたシャドウは病室の時計に目をやる。
時計の針は、次のミッションの準備をする時間を刺していた。
さすがに不味いと思ったシャドウは腰を上げる。
本音を言えば、まだソニックといたかったが
そういう訳にもいかないのだ。
介護と仕事では優先順位が違いすぎる。
愛してる者の介護なら別なのかもしれないが、
GUNの仕事は人命に関わる事だ、抜け出すわけにもいかない。
「帰るのか?。」
「あぁ。今から次の依頼の準備があるんだ。」
「そっか・・・。」
寂しいのか、耳を伏せうつむく。
そんな姿をしてもらっては、帰られなくなってしまいたくなるが
致し方ないのだ。
「あのさ、また・・・来てくれるか?。」
「?あ、あぁ・・・。」
まさか、記憶喪失のソニックからその言葉が出てくるとは
思いもせず、思わず間抜けな返事をしてしまった。
「じゃあ、安静にしておけ、いいな?。」
「分かった・・・、あのさ。」
シャドウがドアに手を掛けた瞬間、声を掛けられる。
「今日は・・・ごめん、それと・・・ありがとう。」
「フ・・・。」
珍しい日本語を聞いたシャドウはドアを開け病室を後にしたー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「・・・それにしても、暇だよな・・・。」
病室の一部屋で行える行動など、たかが知れてる。
夕食は病院食で不味いし、何より走れないのが辛い。
「シャドウ、来てくれないかな・・・。」
ぼそり、と言った自分自身の台詞に思わず背中が跳ねる。
「オレ、今・・・。」
思うだけで、心臓が高鳴ってしまう。
何故だか原因は分からないが、シャドウの姿を思い出すだけで体が火照ってしまう。
「何でっ、こんな・・・。」
恐怖心により、布団を頭から被る。
ふかふかの布団に、かすかに残っているシャドウの匂い。
思わず嗅ぐと、涙が出てきた。
ぐっしょり濡れた布団が気持ち悪い。
気がつかないうちに、多量の雫をこぼしていたのだ。
「シャド、シャドウ・・・。」
届く事の無い言葉、虚しく自分だけ高揚していく、自分自身の体。
頭をブンブンと振っても思い出すのは、シャドウの声。
「ぅ・・・。」
いつの間にかソニックは右手を陰茎に手を添えていた。
止めないといけないのに、止まらない。
「ぁ・・・っあ・・・。」
小さく喘ぐが、満たされる事の無い心は虚しさを広げるばかり。
少し、動きを早めてみる。
「うあっ・・・っん・・・。」
くちゅくちゅと水音が部屋一杯に広がる。
涙と先走りのせいで布団はぐっしょり濡れていた。
「こんなっ、止めないと・・・ダメなのにっ・・・。」
涙を流しながら行為を続ける自分自身に嫌気がさす。
しかし、右腕が止まってくれない。
まるで、違う生き物のように。
ただただ、自慰に励む。
「うあっ、ああっ・・・。」
一回目の射精。
溜まっていたのか、白濁はかなりの量が飛び散った。
布団、自分の体、床。
冷静さを取り戻そうとしても、思考回路は凍結してしまっているため
考えて行動、と言う事は無理に等しい。
「はは・・・オレ、どうしたんだろ・・・。」
一人笑う事が、泣く事がどれだけ寂しい事だろうか。
空振りする声、掴もうとしても掴めない体温。
「・・・ソニック・・・?ソニック!!。」
偶然なのだろうか、目の前にいるのは
気持ちを、心を奪っていった張本人、シャドウ。
記憶はないのに、何故か抱き付いてしまう。
自分の白濁で汚れた体さえ、シャドウは受け入れた。
強く、力強く離さないと言わんばかりに。
無言だったが、ソニックにシャドウの気持ちは伝わった。
久しぶりに、2人で一緒に泣いたような。
「シャドウ、シャド・・・ごめん、オレ・・・、おかしいんだ・・・。」
「・・・。」
「シャドウ行っちまって、寂しくて・・・堪らなくて・・・。」
シャドウはただ、聞いている事しか出来なかった。
涙を流して、聞いている事しか出来なかった。
抱きしめられてるのに、昔とは少しだけ違う感覚。
記憶が無いだけなのに、心の空間は広がるのが手に取るように分かる。
抱きしめているのは、自分自身を好きだって言ってくれるソニックではなくて。
記憶の無くなってしまった、自分の恋人。
昔には戻れるものなら戻りたかった。
「ソニック・・・。」
いつの間にかシャドウは、ソニックを押し倒していた。
ふわりと、ベッドのシーツが2人を包む。
「シャドォ・・・。」
目を潤ませ、懇願するソニックは始めて見た。
いや、行為の時、気づかなかっただけかもしれないが。
いつもは半ば無理矢理だったし、強く押し倒す事が多かった。
しかし、今は違う。
たとえ記憶がないソニックだったとしても。
自分を受け入れてくれるのは彼だけなんだと。
シャドウは心の中で『ありがとう』と呟いたー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「うあっ、ぁ・・・。」
首筋に顔を埋め、一つずつ痕を残していく。
優しく吸い上げ、歯を少し立てるとビクビクと跳ねるのが分かる。
体を重ねた事は何回もあるが、今のソニックにとっては始めての行為。
もう少し楽しみたかったが、今は無理させたくないとシャドウは思う。
「辛いか・・・?。」
「大丈夫っ、少し恥ずかしいけどっ・・・。」
顔を林檎色に染め、言葉だけシャドウに向かせる。
微かにしか聞こえないが、2人の心音が聞こえてくるのが照れくさい。
それは、攻めの特権なのかもしれないが。
「シャド、何で・・・オレっ、こんな・・・。」
「・・・言えるわけがない。」
正直言えば、怖かった。
もし昔の関係を言ってしまったらソニックは逃げてしまうのではないかとか。
もう会えなくなる事だけは避けたい。
ゲームみたいにリセットが効くのなら、言えるのだが
そう言う訳にもいかない。
「何で言えないんだ・・・?。」
不振そうに、エメラルドグリーンの瞳が真紅の瞳を見つめる。
「・・・・・後悔、しないと誓うか?。」
「OK。」
決断したのか、シャドウは口を開いた。
「・・・僕と君は、ソニックと僕だ。
君の記憶が無くなる前から、付き合っていたんだ。
公認ではなかったが、僕達はそれで幸せだった。
お互い、好き勝手の生活だったからあまり会う機会は無かったがな。
僕は・・・君を愛しているんだ。
誰よりも、君を・・・ソニック・ザ・ヘッジホッグを。」
ついに言ってしまった。
拒絶される事承知で、目を瞑る。
殴るなら殴れ、逃げたいのなら逃げればいい。
「・・・そっか。やっぱりな・・・。」
「は?。」
予想外の返答に、思わず間抜けな声が出てしまう。
「・・・少しづつだけど、気ついてたんだぜ?。
顔も知らないヤツがさ、GUNの仕事休んでまで
看病しに来てくれるわけないだろ?。
・・・確かにオレには、昔なんてない。
だけど、体は覚えてるみたいだな・・・。」
「ソニック・・・。」
へへへっ、と照れくさそうに笑うソニック。
久しぶりに見た、笑うという愛くるしい姿。
疲れなんて消えてしまう、その笑顔。
「ありがとう・・・ソニック・・・。」
口から出た言葉はありきたりのものだったかもしれない。
しかし、ソニックには伝わったのだと思う。
いや、そう思いたい。
歯止めが効かなくなってしまわないように。
「シャドウ、どうした・・・?。」
「?あ、ああ・・・何でも無い。続けるぞ・・・?。」
押し付ける声に、小さく頷く。
正直、溜まっていたので心の底では横に振っても襲うつもりだった。
「っ、んぅ・・・あっあ・・・。」
背中のハリの付け根をさすりながら、半勃ちになった彼自身を優しく上下する。
可愛い声が、シャドウの耳をくすぐる。
「君はどこも可愛い、愛しい・・・ソニック。」
「んぅ、・・・。」
頭に血が昇り考え事が出来なくなってくる2人。
口付け、舌を絡め、互いの存在を確認する。
その間にも、シャドウは的確に攻めて行く。
その攻めにも甘んじて受け入れてしまうソニックは
きっと心の底からシャドウを愛しいと思っているからであろう。
「うあっ、ああっ・・・シャドォ・・・。」
蕾に感じる圧迫感と異物感と痛みと快楽。
待ちわびた、とでも言いたいのかソニックは涙を零す。
「うやっ、ああっー・・・。」
激しくなっていく愛撫と比例し、体はビクビクと反応する。
熱くて熱くて、溶けてしまいそうな狂った感覚。
「ソニック、もう我慢できない・・・。」
「えっ、やああっーー・・・!!。」
勢いに任せ、進入してくる甘い罠。
そのまま激しく揺さぶられ、卑猥な音が漏れてくる。
その音にすら愛撫されているようで、少し怖かった。
「あっ、シャドウ・・・もうっ、オレ・・・。」
「僕もっ、限界だ・・・君が、君が・・・。」
意識は遠くなるばかりで、そのままソニックは意識を手放したー・・・。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
記憶があろうがなかろうが関係ない。
愛せればそれでいい。
0から始めるのはまた辛いけど
僕は君がいるから歩ける。
大好きとか愛してるとか僕の心に
どれだけ響くか知らない君は
きっとまた軽腰で言うのだと思う。
それが僕にとって最高の生きがいとなるのだー。
~fin~
~あとがき~
・・・ す い ま せ ん。
いや本当に遅すぎて申し訳ないです;;
しかも文が・・・なんぞこれ;;
だけど、拍手の数見て40超えてるのがΣ(゚ー゚;*)
皆さんの暖かい支持があったので書く事ができたのだと信じてます!!
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!!
聞こえてくるのはどこか懐かしい声。
暖かくて、どこか尖っている様な。
『体はふたつ 心はひとつ』
「ん~・・・。」
「ソニック・・・よかった・・・。」
ソニックが目を覚ますと、椅子に座っているテイルスがふぅ、と一息。
ここは、ステーションスクエアの大学病院。
いつも通り、軽快に走っていたソニックが
初めて事故を起こした。
音速で走る彼を避けれる物体は、この世には指で数えられる。
左から来た大型乗用車と衝突してしまい、今に至る。
「心配したんだよ・・・、ソニック、全然起きないから・・・。」
「ご、ごめん・・・。」
実際、事故を起こしてから丸1日経過している。
意識が戻らなければ、このまま眠ったままになるところだ。
境界線を越えるギリギリのとこで目が覚めたのだ。
まだ頭がぼうっとするが、ちゃんと視点も合い今のところ大丈夫なようだ。
と、廊下から狂った様に大きな音が聞こえてくる。
「ソニック!!。」
ガラリー、と戸が開いて立っていたのはシャドウだった。
手には小さな果物のバスケット。
任務に当たっていたが、ソニックが事故を起こしたと聞いたシャドウは
いつもより速いスピードでここまで来た。
恋人同士の、シャドウとソニック。
皆には極秘だが、2人の目が合うと自然とお互い高揚するものだ。
しかし、今回は違った。
「お前・・・誰?。」
一瞬、時間が止まったような気がした。
間のテイルスも唖然としている。
関係は知らないが、仲がいいことは皆が知っているのだ。
「今、何て・・・。」
「近づくなっ!!。」
恐る恐る歩み寄っていくと、罵声をあげ枕を投げてきた。
何が起こっているのかも分からず、シャドウはただ呆然としている。
「・・・出て行け。」
最後に食らった、吐き捨てられる冷酷な言葉。
シャドウは仕方なく、病室を後にするー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
後ほど、病院の医師から記憶喪失と診断されたソニック。
だが、記憶喪失と言われても過去の記憶が消えてしまっているので
ソニックは信じられないようだ。
「・・・オレ、本当に、いや・・・。」
疑うのも無理は無い。
悩んでいると、シャドウが部屋の中に入ってきた。
「・・・何だよ。」
冷たく吐き捨てたくなるのも無理は無い。
寧ろ、奇奇怪怪な状況でいつも通り話せと言う方が無理がある。
「さっきはすまなかった・・・。」
「え?。」
「勝手に部屋に入ってきてしまって・・・
・・・記憶喪失、らしいな・・・。」
抜けるような声に唖然とする。
「君が苦しんでいるのにのうのうと入ってきてしまった自分がいけないんだ。
・・・さっきは本当にすまなかった。」
「あ、いや・・・。」
そこまで本気で謝られるとばつが悪い。
掛ける言葉も見当たらず、ただシャドウを見つめるソニック。
「・・・それだけだ、僕は・・・。」
「いや、さっきのはオレがいけないんだ。・・・よかったら、そこ座れよ。」
帰ろうとしたシャドウを無意識のうちに言葉で引き止めていた。
少々考えたシャドウだが、ソニックの願う事なのでそこは逆境しない。
簡易的な椅子に座り込み、小さくため息を吐く。
「具合はどうだ・・・?どこか、痛むか?。」
「いや・・・別に、普通かな。」
たいした事故を起こしたわけではないので、傷も軽い。
見合った痛みは、歩く時に少し痛むぐらいだ。
一週間もすれば治るような、擦り傷。
「そうか・・・よかった。」
「(本当に心配してくれてたんだな・・・。)」
心の中で呟くと、何故か一気に親近感がわく。
それと、何故か顔が赤面してしまうのだ。
「・・・?どうした。」
「な、何でもねぇよ・・・。」
そっぽを向く仕草を見てシャドウは昔のソニックとの関係を思い出す。
公認ではなかったが、お互いが好きという、いわば相思相愛の関係。
男同士という壁もあり、外ではべたべたくっ付けないのがたまに傷なのだが
ソニックもシャドウもその関係で満足していた。
朝は一緒に朝食も取ったし、夜はお互いを求め合う。
新婚みたいな幸せの時間、何よりも幸せの時を刻んでいた。
「・・・なぁ、オマエ・・・。」
「!?あぁ・・・。」
急に声を掛けられ、背筋を張り驚く。
GUNのエージェントという神経をすり減らす仕事をしてしても
『驚く』と言う事は一向に慣れない。
「オマエ、名前・・・何て言うんだ?。」
「あ、そうだな・・・一から教えないとな。
僕はシャドウ。シャドウ・ザ・ヘッジホッグだ。」
「ふ~ん・・・シャドウ、いい名前だな!。」
ソニックはシャドウに向かって笑顔を見せた。
それだけで心が落ち着くような気がするような、錯覚。
だが、今シャドウの目の前にいるのは
昔、体を重ねあったソニックでは無い。
まるで会ったばかりの様な、そんな感覚だ。
「(ああ、彼が・・・ソニックがいないと、ここまで寂しいものか。)」
心の中で自分自身に言ってみると、苦笑したくなる。
「とりあえず、冷蔵庫にみんなが持って来てくれた見舞いがあるから、
飲み物もあるはずだから、飲んでいいからな?。」
「ああ、ありがとう・・・。」
とりあえず近くにあった冷蔵庫から炭酸飲料水を取り出す。
ごくり、と喉を通ると炭酸が喉を刺激してくれて心地いい。
「お、それ美味そうじゃん!オレにもくれよ!。」
「ったく、君は・・・。」
手に持っていた飲料を取られ、眉間に皺を寄せる。
あろうことか、3分の2は残っていた飲料は悉くソニックの口の中へ。
仕舞いには、空になってしまった。
「ぷはぁーっ!ウマっ!。」
そんな姿に呆れてしまうが、どこか嬉しかった。
「(昔と変わらないところは、本当に変わらないんだな・・・。)」
昔と言っても、あくまでも2,3日前だが妙に懐かしいし暖かい。
しかし、今思い浮かぶのは悲しいという冷たい感情だけで。
しばらくシャドウは上の空だったー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「そろそろ帰らなくてはな・・・。」
上の空から解かれたシャドウは病室の時計に目をやる。
時計の針は、次のミッションの準備をする時間を刺していた。
さすがに不味いと思ったシャドウは腰を上げる。
本音を言えば、まだソニックといたかったが
そういう訳にもいかないのだ。
介護と仕事では優先順位が違いすぎる。
愛してる者の介護なら別なのかもしれないが、
GUNの仕事は人命に関わる事だ、抜け出すわけにもいかない。
「帰るのか?。」
「あぁ。今から次の依頼の準備があるんだ。」
「そっか・・・。」
寂しいのか、耳を伏せうつむく。
そんな姿をしてもらっては、帰られなくなってしまいたくなるが
致し方ないのだ。
「あのさ、また・・・来てくれるか?。」
「?あ、あぁ・・・。」
まさか、記憶喪失のソニックからその言葉が出てくるとは
思いもせず、思わず間抜けな返事をしてしまった。
「じゃあ、安静にしておけ、いいな?。」
「分かった・・・、あのさ。」
シャドウがドアに手を掛けた瞬間、声を掛けられる。
「今日は・・・ごめん、それと・・・ありがとう。」
「フ・・・。」
珍しい日本語を聞いたシャドウはドアを開け病室を後にしたー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「・・・それにしても、暇だよな・・・。」
病室の一部屋で行える行動など、たかが知れてる。
夕食は病院食で不味いし、何より走れないのが辛い。
「シャドウ、来てくれないかな・・・。」
ぼそり、と言った自分自身の台詞に思わず背中が跳ねる。
「オレ、今・・・。」
思うだけで、心臓が高鳴ってしまう。
何故だか原因は分からないが、シャドウの姿を思い出すだけで体が火照ってしまう。
「何でっ、こんな・・・。」
恐怖心により、布団を頭から被る。
ふかふかの布団に、かすかに残っているシャドウの匂い。
思わず嗅ぐと、涙が出てきた。
ぐっしょり濡れた布団が気持ち悪い。
気がつかないうちに、多量の雫をこぼしていたのだ。
「シャド、シャドウ・・・。」
届く事の無い言葉、虚しく自分だけ高揚していく、自分自身の体。
頭をブンブンと振っても思い出すのは、シャドウの声。
「ぅ・・・。」
いつの間にかソニックは右手を陰茎に手を添えていた。
止めないといけないのに、止まらない。
「ぁ・・・っあ・・・。」
小さく喘ぐが、満たされる事の無い心は虚しさを広げるばかり。
少し、動きを早めてみる。
「うあっ・・・っん・・・。」
くちゅくちゅと水音が部屋一杯に広がる。
涙と先走りのせいで布団はぐっしょり濡れていた。
「こんなっ、止めないと・・・ダメなのにっ・・・。」
涙を流しながら行為を続ける自分自身に嫌気がさす。
しかし、右腕が止まってくれない。
まるで、違う生き物のように。
ただただ、自慰に励む。
「うあっ、ああっ・・・。」
一回目の射精。
溜まっていたのか、白濁はかなりの量が飛び散った。
布団、自分の体、床。
冷静さを取り戻そうとしても、思考回路は凍結してしまっているため
考えて行動、と言う事は無理に等しい。
「はは・・・オレ、どうしたんだろ・・・。」
一人笑う事が、泣く事がどれだけ寂しい事だろうか。
空振りする声、掴もうとしても掴めない体温。
「・・・ソニック・・・?ソニック!!。」
偶然なのだろうか、目の前にいるのは
気持ちを、心を奪っていった張本人、シャドウ。
記憶はないのに、何故か抱き付いてしまう。
自分の白濁で汚れた体さえ、シャドウは受け入れた。
強く、力強く離さないと言わんばかりに。
無言だったが、ソニックにシャドウの気持ちは伝わった。
久しぶりに、2人で一緒に泣いたような。
「シャドウ、シャド・・・ごめん、オレ・・・、おかしいんだ・・・。」
「・・・。」
「シャドウ行っちまって、寂しくて・・・堪らなくて・・・。」
シャドウはただ、聞いている事しか出来なかった。
涙を流して、聞いている事しか出来なかった。
抱きしめられてるのに、昔とは少しだけ違う感覚。
記憶が無いだけなのに、心の空間は広がるのが手に取るように分かる。
抱きしめているのは、自分自身を好きだって言ってくれるソニックではなくて。
記憶の無くなってしまった、自分の恋人。
昔には戻れるものなら戻りたかった。
「ソニック・・・。」
いつの間にかシャドウは、ソニックを押し倒していた。
ふわりと、ベッドのシーツが2人を包む。
「シャドォ・・・。」
目を潤ませ、懇願するソニックは始めて見た。
いや、行為の時、気づかなかっただけかもしれないが。
いつもは半ば無理矢理だったし、強く押し倒す事が多かった。
しかし、今は違う。
たとえ記憶がないソニックだったとしても。
自分を受け入れてくれるのは彼だけなんだと。
シャドウは心の中で『ありがとう』と呟いたー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「うあっ、ぁ・・・。」
首筋に顔を埋め、一つずつ痕を残していく。
優しく吸い上げ、歯を少し立てるとビクビクと跳ねるのが分かる。
体を重ねた事は何回もあるが、今のソニックにとっては始めての行為。
もう少し楽しみたかったが、今は無理させたくないとシャドウは思う。
「辛いか・・・?。」
「大丈夫っ、少し恥ずかしいけどっ・・・。」
顔を林檎色に染め、言葉だけシャドウに向かせる。
微かにしか聞こえないが、2人の心音が聞こえてくるのが照れくさい。
それは、攻めの特権なのかもしれないが。
「シャド、何で・・・オレっ、こんな・・・。」
「・・・言えるわけがない。」
正直言えば、怖かった。
もし昔の関係を言ってしまったらソニックは逃げてしまうのではないかとか。
もう会えなくなる事だけは避けたい。
ゲームみたいにリセットが効くのなら、言えるのだが
そう言う訳にもいかない。
「何で言えないんだ・・・?。」
不振そうに、エメラルドグリーンの瞳が真紅の瞳を見つめる。
「・・・・・後悔、しないと誓うか?。」
「OK。」
決断したのか、シャドウは口を開いた。
「・・・僕と君は、ソニックと僕だ。
君の記憶が無くなる前から、付き合っていたんだ。
公認ではなかったが、僕達はそれで幸せだった。
お互い、好き勝手の生活だったからあまり会う機会は無かったがな。
僕は・・・君を愛しているんだ。
誰よりも、君を・・・ソニック・ザ・ヘッジホッグを。」
ついに言ってしまった。
拒絶される事承知で、目を瞑る。
殴るなら殴れ、逃げたいのなら逃げればいい。
「・・・そっか。やっぱりな・・・。」
「は?。」
予想外の返答に、思わず間抜けな声が出てしまう。
「・・・少しづつだけど、気ついてたんだぜ?。
顔も知らないヤツがさ、GUNの仕事休んでまで
看病しに来てくれるわけないだろ?。
・・・確かにオレには、昔なんてない。
だけど、体は覚えてるみたいだな・・・。」
「ソニック・・・。」
へへへっ、と照れくさそうに笑うソニック。
久しぶりに見た、笑うという愛くるしい姿。
疲れなんて消えてしまう、その笑顔。
「ありがとう・・・ソニック・・・。」
口から出た言葉はありきたりのものだったかもしれない。
しかし、ソニックには伝わったのだと思う。
いや、そう思いたい。
歯止めが効かなくなってしまわないように。
「シャドウ、どうした・・・?。」
「?あ、ああ・・・何でも無い。続けるぞ・・・?。」
押し付ける声に、小さく頷く。
正直、溜まっていたので心の底では横に振っても襲うつもりだった。
「っ、んぅ・・・あっあ・・・。」
背中のハリの付け根をさすりながら、半勃ちになった彼自身を優しく上下する。
可愛い声が、シャドウの耳をくすぐる。
「君はどこも可愛い、愛しい・・・ソニック。」
「んぅ、・・・。」
頭に血が昇り考え事が出来なくなってくる2人。
口付け、舌を絡め、互いの存在を確認する。
その間にも、シャドウは的確に攻めて行く。
その攻めにも甘んじて受け入れてしまうソニックは
きっと心の底からシャドウを愛しいと思っているからであろう。
「うあっ、ああっ・・・シャドォ・・・。」
蕾に感じる圧迫感と異物感と痛みと快楽。
待ちわびた、とでも言いたいのかソニックは涙を零す。
「うやっ、ああっー・・・。」
激しくなっていく愛撫と比例し、体はビクビクと反応する。
熱くて熱くて、溶けてしまいそうな狂った感覚。
「ソニック、もう我慢できない・・・。」
「えっ、やああっーー・・・!!。」
勢いに任せ、進入してくる甘い罠。
そのまま激しく揺さぶられ、卑猥な音が漏れてくる。
その音にすら愛撫されているようで、少し怖かった。
「あっ、シャドウ・・・もうっ、オレ・・・。」
「僕もっ、限界だ・・・君が、君が・・・。」
意識は遠くなるばかりで、そのままソニックは意識を手放したー・・・。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
記憶があろうがなかろうが関係ない。
愛せればそれでいい。
0から始めるのはまた辛いけど
僕は君がいるから歩ける。
大好きとか愛してるとか僕の心に
どれだけ響くか知らない君は
きっとまた軽腰で言うのだと思う。
それが僕にとって最高の生きがいとなるのだー。
~fin~
~あとがき~
・・・ す い ま せ ん。
いや本当に遅すぎて申し訳ないです;;
しかも文が・・・なんぞこれ;;
だけど、拍手の数見て40超えてるのがΣ(゚ー゚;*)
皆さんの暖かい支持があったので書く事ができたのだと信じてます!!
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!!
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